「企画構成」撮影の準備が出来たら、撮影の基本カメラワークを学びましょう。
プロみたいと言わせる!動画撮影のテクニック・カメラワーク(齋藤行成)
動画機材の設定や使い方・解説は「動画の設定と用語解説」を御覧ください
映像制作と切っても切れない関係にあるのが撮影の基礎テクニック・カメラワークです。
誰でも動画を楽しむ時代です。でも映像の基本的なこと知らない方が多いですよね。動画の撮り方をYou Tube等で見ると、ほとんどがカメラの機能の説明や絞りやフォーカスの使い方と言った機材のテクニックの説明が多いですね。動画サイト・SNSなどに投稿し、多くの人に見てもらうためにも基本を学ぶ必要があります。
最初に、動画は写真と異なること覚えてください。ご存知のように動画は多くのカット(画面の)の積み重ねです。
このカットはストーリーの説明や演出効果を出すために、アップやロングカットなどを撮って繋がれています。それを一般的に
カメラ・ワークと言います。
動画制作には、カメラワークの理解が重要です。カメラワークとはカメラの動かし方のことで、カメラワークによって映像が与える印象が変わります。そのためは被写体やその状況、表現したい印象などに合わせた適切なカメラワークの選択が重要になります。
つまり動いてる被写体に対し「どのようにカメラを向けるか、動かすか」という技術です。ただ動かせば良いわけではありません。動かすことに何らかの意図がなければなりません。気分で撮ってはいけません。
昔ですが、ビデオ雑誌で「無編集一本撮り」といる撮影テクニックを10年近く連載してました。
当時は、ビデオカメラでは撮るだけで、後で編集は出来ませんでした。つまり今のように動画作品は作れなかったのです。そこで、撮影時にここでは、アップ次は全体のカットと計算して撮ると、その場でニュース番組程度のものはその場完成できるとという講座でした。
これはプロでも同じで、いくら編集ができる環境でも無闇にたくさん撮るのでなく、同じようにここではアップだとか考えななが撮っています。編集時のつなぎを考えて撮ることの大切さを教えていました。
今でも若いプロの育成時も同じことを伝えていまいす。気分でとてはいけません。
最近のネット動画では短いカットをアップテンポでつないで、「どうだ!かっこいいでしょう。」という傾向がありますが、あくまでもミュージック動画などイメージ動画ですよね。このような動画作りではTV番組や映画等は作れるようにならないでしょう。
カットのつながりは気分やイメージではありません。撮影にはカメラワークが必要で演出の基本です。
わかりやすく言うと、動画は文章で、写真は絵画のようなものです。
私たちは知らずに文法を使っ て意思疎通をしています。文法を無視して単語をバラバラに並べては、何も伝わらない。つまり、動画では 文章を書くのと同様に多数の動画カットを撮影し組み合わせる。編集で文章を書くように並べて、出来上がるのです。
カメラワークの具体的な例を撮影された映像を例説明致します。
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FIX (フィックス)
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ZOOM (ズーム)
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PAN (パン)/ PANNING (パンニング)
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TILT (ティルト)
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HIGH ANGLE・LOW ANGLE (ハイアングル・ローアングル)
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フォロー
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移動:TRACK (トラック)
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移動:DOLLY(ドリー)
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その他にもSPINNING SHOT(スピンショット):SPINNING SHOTは、被写体の周りをぐるぐると回るように移動しながら撮影する方法です。被写体を軸に円を描くように回転します。上記のジンバルを用いて撮影することが多く、サークルショットや旋回ショットとも呼ばれSPINNING SHOTは、被写体を強調したり、臨場感を表したりする効果があり、映画のような芸術的な表現を可能にするカメラワークです。
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DUTCH ANGLE(ダッチアングル):DUTCH ANGLEはカメラを傾ける角度のこと、あえて左右に傾けて撮影する方法のことです。通常カメラは水平・垂直のラインと被写体の向きが一致しているのが普通で安定感のある映像に仕上がりますが、あえて傾けることで、落ち着きや安定とは逆の印象を与えます。よってダイナミックな表現を可能にしたり、緊張感や不安定な感情を表現したりする効果があるカメラワークです。傾ける角度が大きい方が、よりアンバランスで不安定な印象を与えます。
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FOCUS IN ・FOCUS OUT・ FOCUS PULL (フォーカスイン・フォーカスアウト・プルフォーカス):FOCUSは、ピントを合わせる点を変化させるレンズ操作のことです。ピントが合っていない状態から徐々に被写体にピントを合わせるカメラワークをFOCUS IN(フォーカスイン)、逆に徐々にぼかしていくことをFOCUS OUT(フォーカスアウト)と呼びます。また、同じカット内でフォーカスを移動させる方法が、FOCUS PULL(プルフォーカス)です。
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FOCUS INには、何かを思い出したり、意識を取り戻した様子を演出する効果があります。一方、FOCUS OUTでは、意識が遠のいたり回想シーンへ移ったりする様子を演出するのにも用いられます。またドラマでFOCUS PULLには2者の緊張する会話のやりとりで、緊迫感や臨場感を演出する効果があります。
B-ROLLとは
一般的なカメラワークと別にB-ROLL(ビーロール)という言葉をご存知ですか?本来、B-ROLLはメインのカメラーで撮影した、例えばインタビューされてる画面をAロールといい。それに対してサブ的に横から撮ったものや、手元アップとか、インタビュー内容に関連した別被写体など撮ったものをBロール言いいました。が、昨今その流れが変わりつつあります。
海外でかっこいい動画クリエイターの間で、B-ROLLばかりを使った映像が流行の兆しを見せています。今後この説明も追加いたします。
モンタージュ理論
映画の発展過程で生まれたのがカメラワークですが、その他に劇的な効果を生み出したがモンタージュ理論です。少し初心者には難しい話になりますが、映画では、映像や音楽などの異なる要素を組み合わせ、新しい意味を生み出すことができます。また観客の感情や思考を引き起こすことができます。例えば、カットとカットの長さや順を入れ変えることで、時間や空間に変化を与えたりすることができます。また、音楽や効果で、映像の雰囲気を強調もできます。これら要素を編集で組み合わせ効果を生み出すことを意味します。
(モンタージュの例)
異なる場所の場面を重ねることで空間の対比を表現することができます。例えば、都会のシーンと田舎のシーンを交互に繋げて、都会と田舎の対比を表現することができます。
異なる場面を組み合わせることで感情を与えることができます。例えば、喜びと悲しみの場面を交互に繋げて、感情の変化を表現することができます。
サイズの話しです。
サイズと言うと聞いた事の無い思いますが、大変重要です。カメラワークの基本としてマスターしてください。サイズはメインの被写体が画面内でどれくらいの大きさに映っているかのことです。
写真(静止画)は、一枚一枚の絵画のように鑑賞してみる作品ですが、動画は連続して見るものです。TV番組や映画を見ていると同じ人が全身で写ったり顔だけだったりと変化をつけて、つながっているのにお気づきだと思います。
怒っていたり嬉しいときの顔はアップで、その人物の全身の姿など状況や場所がわかるような画面サイズを変化させて撮ってつなぎます。つまりサイズとは、同じ人物でも全身や顔だけなど、人物を表すサイズの事です。文章で言う主語(名詞)や動詞、形容詞などにあたる働きをしているのです。
大きく言いますと、被写体が小さく映る方から「ロング・サイズ」「ミディアム・サイズ」「アップ・サイス」と言います。サイズでなくショットと言う場合もあります。
ロングショットほど情報量が多いため、状況説明に向きます。またアップは被写体を迫力ある画面に映り、強い印象を与えます。
1)全身が写っているものをフルサイズ:
フルサイズは、 基本的に人物がいる場所を説明するのに用いる画面サイズです。 見てわかるように、人物の細かな動きや顔の表情などは、判りにくいですが、人物がどこにいるのか理解出来るサイズです。従ってこの画面を見せられたら当然人物が何をしてるのか、具体的に見たくなるもので次のカットとしてウエストサイズやバストサイズをつないで撮るのが普通です。
2)腰より上が写っているサイズをウエストサイズ:
このウエストサイズは、TVでよく見るサイズで、ニュース現場や旅番組ののリポーターを強調する事無く周囲と人物が一緒に写るようにすときに使います。例えば綺麗な風景の中で周囲を見ているとか、店先で何かを探しているなど、場所と行動が理解させやすいサイズです。
3)胸から上のサイズをバストサイズ:
胸から上のバストサイズは、ウエストサイズと共に、テレビや映画で多く見かけるサイズです。テレビの対談番組やドラマなどじっくりと見て下さい、ウエストサイズとの組み合わせでこのサイズが多く出てくる事に気がつくはずです。このサイズは、全身での動きでなく表情を自然に感じさせるサイズですから、最も親近感をもって鑑賞出来るサイズです。
4)顔一杯をアップサイズ:
首から上か、顔が画面いっぱいになるサイズをアップサイズと言います。一般に顔のアップとか手のアップなどと呼びます。この位の大きさになるとバストサイズとは意味が大きく異なります。カメラに向かって何か言いたそうですし、表情と言うよりこの人の感情、心の表現がそのまま出るサイズです。従って子供の成長過程で親に甘える子供の表情など撮るのに適したサイズですが、一般的に情報番組にはあまり使われないサイズで、ドラマに出てくるサイズです。
5)目のアップなどはクローズアップサイズ:
目や手元、口元のアップは、あまり一般的なファミリー動画の撮影にはお勧めしません。見ての通り、まるでサスペンスドラマで犯人を見つけた目のようですね。ドラマなどでは、おもいっきり何かを強調するときに使います。家庭動画ではここまで撮ると、次につながる映像が問題になります。TVを見ている人はこの目のアップの次にくる映像をこの目の人物が見ていると思うからです。したがって関係ない映像をつなぐと訳が分からなくなりますので要注意です。
では、どうして変えるのでしょうか? いつサイズを変えるのでしょうか?
ドラマや映画の世界では、極めて重要で演出家(監督)の腕の見せ所で、画面から監督の意図を伝えるためにアップであったりロングであったりと計算されて撮影されます。編集時でも画面と画面のつなぐタイミングも重要になります。
ただし、一般的な動画や情報番組などでは全員がフルサイズで写っている画面を、長く見ていると一人一人の表情が詳しく見たくなります。とくにテレビ番組では誰かがしゃべれば、その人の話し声や表情を、もっと鮮明に大きく見たくなります。
ホームドラマでも全員が話しあっている茶の間の場面ではフルサイズ、一人がしゃべれはバスサイズに変わりますよね。逆に表情や動きの無い人のアップが続くと、あきてしまうしので周囲が気になり全体を見たくなります。
動画撮影には、カメラワークだけでなく、被写体の構図を決める「フレーミング」が大切です。
構図の基本「三分割法」
画面を縦横それぞれ三分割にし、その線が交わる点に被写体や注目させたい被写体を配置させることで注目しやすくなります。また安定した画面となります。動画は写真と比べ横長なので構図が取りにくいのですが、三分割の縦横のラインに配置すると撮りやすいです。また、奥行き感をだす時は、先を引いてイメージすると良いです。また基本はセンタに配置することですがこの場合も、左右のラインの中央に来るように構図を定めますが、顔などの場合見る方向を少し空けるようにします。
右側の線の位置に見せたい被写体を配置した例。動く方向を空けて撮ると進行してる感じが出やく安定して見えます。
シンメトリック(左右対称)
センターにメインの被写体を配置
奥行き感をだす構図
上部を空・下部を地。真ん中に見せたい被写体、建物と緑をの配置して広がりを出す
カメラワーク
カメラワークによって撮影された映像の具体的な例
FIX (フィックス)
FIXとは、カメラを三脚で固定し、動かさずに撮影することです。撮影の基本中の基本と言えます。
FIXは「固定する」という意味で画面が固定されカメラは動きません。被写体の動きに集中しやすく、安定していて見やすい映像に仕上がります。インタビュー映像の撮影によく使われるカメラワークで、被写体の表情や細かい動作などが見やすくなり情報を安定して伝えられます。映像を綺麗に見せる効果があります。FIXで撮影する際は、カメラを手持ちしての撮影では手ブレが起こるので、三脚や壁・棚などでカメラを固定が望ましいでしょう。
ZOOM (ズーム)
撮影にはカメラやレンズを動かすことがあります。
ZOOMは、カメラの位置を変えずに、レンズのズームリングで焦点距離を変えながら、被写体に近づいたり遠ざかったりする撮影方法のことです。被写体に寄る動きをZOOM IN(ズームイン)、離れる動きをZOOM OUT(ズームアウト)と呼びます。ZOOM INは、被写体を細部まで撮影する効果や、主人公などがどこにいるのかなどの位置関係を表すときに使い、一つの被写体に注目させる効果があるカメラワークです。一方、ZOOM OUTには、視点を散らす効果や、被写体と周囲の位置関係や状況を伝える効果があります。そのため、特に注意して見せたいものがあるときはZOOM IN、引いた先の様子を全体的に見せたいときはZOOM OUTがおすすめです。
このカットでは、主役がはっきり写りわかるように楽しげに散歩している姿へズームイン!することで主役を強調しています。ズームインは基礎編に特定の被写体の「強調、視点の誘導、集中、緊張」など動画を見る人に注目させる時などに使います。また位置関係なども出すときにも使われます。
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注意:ズームは多用しない。
ズームは肉眼にはない映像表現ですから、間違うと不自然な技法となります演出上の意図がない無意味なズームはしないことが大切です。
PAN (パン)/ PANNING (パンニング)・TILT (ティルト)
PANとは、カメラを固定した状態で、左右に動かして撮影する方法のことです。PANは「panoramic viewing」の略で、PANNING(パンニング)とも呼ばれます。PANには、横に長い被写体の細部を映しい時、展望台にたって広い風景を観光地でご覧になることが多いと思います。この時、どうしますか。カメラをゆっくりと振って見せるとパノラマの風景が撮れ広さを表現したりする効果があります。
長い列車や海岸風景など、横長の被写体や広い景色、水平方向に動く被写体などを撮影する際におすすめです。PANでの撮影は、始めと終わりはゆっくり、途中は少し速めにカメラを動かすと、見やすい映像に仕上がります。
TILTは、カメラを固定した状態で、上下に動かして撮影する方法のことです。
特に、カメラを下から上に動かすことをTILT UP(ティルトアップ)、上から下に動かすことをTILT DOWN(ティルトダウン)と呼びます。高層ビルや高い山など、広さ同様にカメラを振らないと撮れない高いものを撮るときに使います。カメラを垂直方向に振ることをは、パンではなくティルト(Tilt)と言うのが正しい名称です。TILTには、縦に長い被写体の細部を映したり、高さを表現したりする効果があります。そのため、ビルや滝、竹林のような縦長の被写体や、人物の全身を撮影したいときにおすすめです。
上の方に有るモノ(山やビル、看板など)からカメラを振り下ろすと下に人物がいる。
また、海に浮かぶ船からカメラを横に水平に振ると岸に人物がいる。など人と人、または人やモノとの位置関係や居場所を説明的に見せるときに使います。
細かい部分を説明するように見せる時に、例えば、説明用の看板を読ませたい時や日光東照宮のような歴史的建物の細かな装飾などを丁寧に見せたい時など、良く観察するように見せたい時にも使います。
また、TILT UPでは徐々に広がるような動き、TILT DOWNでは下に落ちるような動きになるため、前者は希望のような前向きな気持ち、後者は暗い気持ちを表現する際にも使われます。最近では一部のテレビマンのあいだでは、PANアップとかPAN ダウンと言う場合もあります。
ANGLE(アングル)
基本はアイレベル(カメラと人物の目の高さが同じ状態)で撮ることです。そのアイレベルより高いところから撮るとハイアングル、逆に低い位置から撮るとローアングルと言います。
例えばドラマで病室を撮るとしましょう。ベットのある部屋のレイアウト全体を見せるためには、部屋の上からがわかりやすいのでハイアングルで撮る。病人を診察する医師の表情を撮るためには、ベットの位置くらいの下からのローアングルで医師の顔を撮る。侵奪される患者を上からハイアングルで撮ると、医師が患者を見てるような説明のなります。誰が何を、どこでが分かるように撮るにはサイズだけでなくアングルも変えてと説明がつく画面が撮れますのでアングル大切です。
例えば、明るく遊ぶ姿をアイレベルより高い位置ハイアングルで撮ると見下げるような感じになり、逆に低い位置からローアングルで青空バックに撮ったらどう違うでしょうか。ローアングルのほうが元気な明るい印象をあたえます。
HIGH ANGLE・LOW ANGLE (ハイアングル・ローアングル)
HIGH ANGLE・LOW ANGLE はカメラを左右に傾けるのがDUTCH ANGLEであるのに対し、上下に傾ける撮影方法をHIGH ANGLE(ハイアングル)・LOW ANGLE(ローアングル)と呼びます。前者はカメラを上から俯瞰して撮影し、後者は下から煽って撮影する方法です。HIGH ANGLEは、被写体を見下ろしているような状況になり、人物などはやや弱々し印象を与えます。高い位置から町を見下ろす景色を撮影する際に向いています。また、LOW ANGLEは、被写体を見上げているような状況になり、人物が大きく見え力強く感じ、ダイナミックな印象を与える効果があります。
LOW ANGLE(ローアングル)
低めの位置からの撮影ですと、顔を下から見上げる感じになります。顔の表情は明るく前向きに元気はつらつと言った印象を与えてくれます。花壇の花の高さのすぐ上でカメラを構えています。人物は花より高めですから一見アイレベルに見えますがこれもローアングルです。花壇と同時に空も入って開放感を感じます。
また夏の日差しの下では若者の開放感や躍動感も感じられます。つまり日常生活から解放された広がりやロマンを感じさせてくれるので、CMなどには、このローアングルが多く使われます。
HIGH ANGLE(ハイアングル)
一方、同じ場所で同じ歩きを少し高めの位置から撮っただけですが、その差は歴然と出ます。同じ小道も長く見えますし、近づいてくる人物の表情は同じく笑顔を見せてくれていますが、なぜか現実的と言うか、必要以上に生活感を感じます。TVドラマなどでは暗い方向に展開するストーリー、例えばサスペンスなどの途中などに多く使われます。
フォロー撮影:
動く車や飛行機、歩いている人物を横から撮る時に、カメラで追うように撮ることを言います。注意することは追うとき画面の中で被写体が左右に揺れないように、つまり出来るだけセンターに収まるようにしましょう。一番だめなのが画面から出たり入ったりは避けましょう。
移動撮影
移動する被写体、特に移動している人物をカメラで一緒に移動しながら撮影する事です。手持ちでカメラブレしないように撮るケースを例にあげますが、
プロの撮影では二種類の撮り方があります。
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TRACK (トラック):TRACKは、カメラを横に移動させたり、被写体の動きをカメラで追って撮影したりするカメラワークのことです。動きとともに迫力を表す効果があり、被写体が移動する時に多く用いられます。被写体を素早く追いかけることで興奮、逆にゆっくり追いかけることで緊張感を表現できDOLLYと異なり、被写体と一定の距離を保ちながら撮影する方法です。
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DOLLY(ドリー):DOLLYとは、台車や車輪つきの三脚を使って、カメラを水平移動させて撮影するカメラワークのことです。スライダーショットとも呼ばれます。カメラが前進して被写体に近づくことを、DOLLY IN(ドリーイン)、後退して遠ざかることをDOLLY OUT(ドリーアウト・ドリーバック)と呼びます。DOLLY INは被写体の奥行きと立体感を強調して、迫力や躍動感を与える効果があり、DOLLY OUTは通常の視覚では得られない不思議な遠近感が強調され、別れや孤独感を演出する効果があります。最近では、ジンバルを用いることで、台車を使わなくてもDOLLYのような効果を与える映像が撮影可能になりました。
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ジンバルとは回転台付きのグリップのことで、撮影者が動いていても、カメラを一定の向きに保ちながら撮影することができます。手ブレを防ぎながら視点が動く映像が撮影できるため、手軽に移動撮影に挑戦したい場合におすすめです。
浅草仲見世通りを歩く人物を後ろから追うように撮り、途中で店を除くところで人物横に移動し買い物をしてる様子の例です。
移動撮影と撮影時のサイズ・アングルに変化を付けたカットの
積み重ねで、三社祭の雰囲気が伝わってきます。
サンプル動画は、移動撮影を含め、サイズやアングルに変化をつけて三茶祭りを撮っています。
動画のストーリー作りの参考例:旅先や人物の動きを表現するには
「どこで・誰が・いつ・何をしてる」を撮ることが基本です。
そこで今回は、英語の授業に出てくる5W1Hではないですが「どこで、誰が、いつ、何を している」を必ず頭に入れての撮影する術からお教えしましょう。順番はこの通りでなくても良いのですが、基本中の基本です。
映画やTV番組をよく見てると、場面(場所)の事をシーンと呼びますが、主役がいる場所や動きをサイズを変えてわかりやすく撮っているのが分かります。 皆さんがカメラを持って撮るときには、各シーンごとに、必ず「どこで、誰が、い つ、何をしている」が判る動画を何カットか分けて撮る様にして下さい。
では、具体的に「どこで、誰が、いつ、何を している」をどう撮るかを考えてください。
理解できましたか? ではこれらカットを編集で並べ替えてストーリーが出来上がります。
しかし、順番で大きくイメージが変わることを、下記2例で確認してください。
カメラ撮影以外に覚える項目
■照明
カメラ位置が決まったら、照明をセットします。
映像制作者は照明をカメラと同じくらい重要と考えます。照明の役割は暗いからあてるのでなく、どのように照明を利用するかが大切です。
役割のひとつは「照度の確保」。当然ながら被写体を十分明るく照らすために照明を用いますが、逆光での人物の顔を撮りたい場合など背景よりも明るいと顔が暗くなってしまいます。したがって下記の要素を検討します。
・立体感・材質感の演出・雰囲気の演出
映像に立体感を加えるさまざまな技術や効果が生まれてきました。例えば、背景との区別がつきにくい被写体には、背後から被写体にあてて輪郭を強調することで立体感を出など照明技術のひとつです。被写体のリアリティを高めるのが、被写体の材質感です。
そこから感じられる「柔らかさ・固さ」などは照明の数、強さ、位置、拡散具合などのバランスで表現することができます。
■録音の基礎
良い映画とは、しっかりとした構図、迫力のあるカメラワーク、雰囲気ある照明、スムーズなカットつなぎ・・・と、多くの人「映像自体」を考えます。「映像作品」は映像だけで成り立っていません。もうひとつの大切なのが「音声(サウンド)」です。
視聴者や顧客に満足してもらえる映像作品を作りたいなら音に気を配る必要があります。
「映像作品」は音に依存する割合が多いことを忘れないことです。アマチュアとプロの映像作品の違いは、音の違いに顕著に現れています。
マイクの指向性をチェック
指向特性が重要
カメラのレンズに相当するのが、マイクロフォンの指向特性です。無指向性マイクとは周囲360度をほぼ一様に録音できるもの、単指向性マイクは正面の感度が相対的に高い特性を持ったマイクです。マイクの違いでどの方向の音を集音できるかという特性を表します。目的によってさまざまな指向性のマイクが発売されていますので、自分の目的にあった指向性のマイクを選ばなくてはなりません。
全指向性(無指向性)
全指向性(無指向性)のマイクとは、周囲のすべての方向から同じ感度で音を拾うことができるマイクです。会議などで全員の声を録音したいときなどに使います。ただし周囲の雑音なども拾ってしまうため、音楽ライブなどには向きません。
マイクの360度方向に指向性がありますので、ある部分を狙うのではなく会場全体などの音を収録する際に使用されるタイプです。
スタジオでの部屋鳴り(アンビエント)、会議の録音、襟元に付けるピンマイク(ラベリアマイク)といった用途で使用されるケースが多いようです。
単一指向性
単一指向性のマイクは、1つの方向の音を拾うように作られているマイクです。音楽ライブで使われるボーカルマイクなどがこれにあたります。マイクの前面の音しか拾わないため、別方向の音は拾わず、雑音が入りにくい点が特徴です。ハウリングが起こりにくいというメリットもあります。
超指向性マイクは、撮影現場では「ガン・マイク」と呼ばれます。
指向性がさらに鋭いものはその程度によって「スーパー<ハイパー<ウルトラ<ショットガン」(各カーディオイド)と呼ぶ場合があります。TVのロケやバラエティー番組の客席前方で使われている「ショットガンマイク」は最も指向性がスルドイというわけです
ピンマイク
衣服などの胸の位置に着ける、小型のマイクです。テレビ番組の出演者が使用しているところを見かけたことがある方も多いでしょう。手に持つ必要がなく、両手での動作が必要な場面や大きく動き回るときに便利です。
ダイナミックマイク
シンプルな構造で、電源を必要としないマイクです。耐久性が高く、少々の衝撃や湿気にも耐えられます。
コンデンサーマイクと比較すると低価格ですが感度が低く、高い音域を拾うことは不得意です。マイクのすぐ前の音以外を拾わないため、周囲で演奏が鳴っている音楽ライブやスピーチなどでの使用に向いています。
コンデンサーマイク
電源を必要とするタイプのマイクです。振動や湿気に敏感なため、丁寧に取り扱う必要があります。ダイナミックマイクと比べると価格は高めで、音の感度が高いことが特徴です。高音域の音もしっかりと拾うことができ、レコーディングなどの際に優れた音質での録音が可能になります。
コンデンサーマイクに必要な電源は「ファンタム電源」と呼ばれます。ファンタム電源とは、ミキサーやオーディオインターフェイスに備わっており、マイクケーブルを経由してマイクに電源を供給する仕組みです。
「電源」といってもマイクに電源ケーブルが付いているわけではなく「ファンタム電源」と呼ばれる仕組みで電源をマイクに送ります。「ファンタム電源」というのはミキサーやオーディオ・インターフェースに備わっているもので、マイクにつなぐキャノン(XLR)・ケーブルを経由してマイクに電源を供給する仕組みです。
録音時に注意事項
撮影と同様に、録音も必要な機材とスタッフは下記のような事を準備し計画する。
・周囲のノイズはどの程度か?
・音源は移動するか?移動範囲はどれくらいか?
・音源はいくつあるか?
・セッティングの時間はどれくらいとることができるか?