動画撮影のテクニック

今回から、映像(動画)のうまい撮り方をご説明しましょう。 写真(静止画)は一眼デジカメならば当然、誰でも素敵な静止画を撮って楽しんでいる事 でしょう。しかし、こと動画となるといかがでしょうか? 動画撮影は撮ったが、「人に見てもらえる様に出来上らない」 と思っている方が結構多いですね。 つまりTV番組の様に動画がうまく撮影出来ないし見てて楽しくない。と言われる方が多いようです。

動画は写真を撮るのとは異なります。

写真(静止画)は、絵画を描くイメー ジ。それに対し動画は、文章を書くようなモノと思ってください。

わかりやすく言うと、動画は文章で、写真は絵画のようなものです。

私たちは知らずに文法を使っ て意思疎通をしています。文法を無視して単語をバラバラに並べては、何も伝わらない。つまり、動画では 文章を書くのと同様に多数の動画カットを撮影し組み合わせる。編集で文章を書くように並べて、出来上がった動画にナレーションや音楽を加えることで作品が完成します。

その事を頭に入れて撮影してください。

 

          では何から始めたらいいのでしょうか?

          下記から撮影の基本カメラワークから学びましょう。

 

サイズの話しです。

サイズと言うと聞いた事の無い事で意味が分からないと思いますが、大変重要です。ムービー一眼でのうまい撮り方術の基本としてマスターしてください。

写真(静止画)は、一枚一枚の絵画のような作品ですが、動画は連続して見るものです。TV番組や映画を見ていると同じ人が全身で写ったり顔だけだったりと変化をつけて、つながっているのにお気づきだと思います。

怒っていたり嬉しいときの顔はアップで、雨宿りで軒先にたたずむ全身の姿はなど状況や表情の表し方を画面サイズを変化させて撮っています。つまりサイズとは、同じ人物でも全身や顔だけなど、大きさを表すサイズの事です、はっきりと置き換えての説明には無理がありますが、文章で言う主語(名詞)や動詞、形容詞などにあたる働きをしているのです。

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1)全身が写っているものをフルサイズ:

フルサイズは、 基本的に人物がいる場所を説明するのに用いる画面サイズです。 見て判るように、人物の細かな動きや顔の表情などは、判りにくいですが、誰がどこにいるのかは理解出来るサイズです。従ってこの画面を見せられたら当然人物を大きく写したものを見たくなるので、次のカットとしてウエストサイズやバストサイズをつないで撮るのが普通です。

2)腰より上が写っているサイズをウエストサイズ:

このウエストサイズは、TVでよく見るサイズで、ニュース現場や旅番組ののリポーターを強調する事無く周囲と人物が一緒に写るようにすときに使います。例えば綺麗な風景の中で周囲を見ているとか、店先で何かを探しているなど、場所と行動が理解させやすいサイズです。

3)胸から上のサイズをバストサイズ:

胸から上のバストサイズは、ウエストサイズと共に、テレビや映画で多く見かけるサイズです。テレビの対談番組やドラマなどじっくりと見て下さい、ウエストサイズとの組み合わせでこのサイズが多く出てくる事に気がつくはずです。このサイズは、全身での動きでなく表情を自然に感じさせるサイズですから、最も親近感をもって鑑賞出来るサイズです。

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4)顔一杯をアップサイズ:

首から上か、顔が画面いっぱいになるサイズをアップサイズと言います。一般に顔のアップとか手のアップなどと呼びます。この位の大きさになるとバストサイズとは意味が大きく異なります。カメラに向かって何か言いたそうですし、表情と言うよりこの人の感情、心の表現がそのまま出るサイズです。従って子供の成長過程で親に甘える子供の表情など撮るのに適したサイズですが、一般的に情報番組にはあまり使われないサイズで、ドラマに出てくるサイズです。

5)目のアップなどはクローズアップサイズ:

目や手元、口元のアップは、あまり一般的なファミリー動画の撮影にはお勧めしません。見ての通り、まるでサスペンスドラマで犯人を見つけた目のようですね。ドラマなどでは、おもいっきり何かを強調するときに使います。家庭動画ではここまで撮ると、次につながる映像が問題になります。TVを見ている人はこの目のアップの次にくる映像をこの目の人物が見ていると思うからです。したがって関係ない映像をつなぐと訳が分からなくなりますので要注意です。

では、どうして変えるのでしょうか? いつサイズを変えるのでしょうか?

答えは「TV放送の視聴習慣からくる生理的理由」です。家族全員がフルサイズで写っている画面を、長く見ていると一人一人の表情、特に子供の行動を詳しく見たくなります。とくに誰かがしゃべればその人の話し声や表情を、もっと鮮明に大きく見たくなります。TVのホームドラマでも全員が話しあっている茶の間の場面ではフルサイズ、一人がしゃべれはバスサイズに変わりますよね。逆に表情や動きの無い人のアップが続くと、あきてしまうしので周囲が気になり全体を見たくなります。 「TV放送の映像を無意識に見て学び習慣化し生理的に反応しているため」です。

撮影基本中の基本は!

カメラは出来るだけ固定し動かさない。

もう一つ大切なことは、動画は画面の中の被写体(人物など)が動くもの、カメラは出来るだけ動かさないのが基本、安定した見やすい動画に仕上がります。

 

しかしカメラを動かすことがあります。

カメラを上下・左右に動かすことをパンニング、またズームレンズを動かしワイドレンズにしたり望遠にして被写体に近づくことをズーミング(ズームイン・アウト)と呼びます。

ズームは主人公などがどこにいるのかなどの位置関係を表すときや展望台などから見える広い風景を見せる時に使いましょう。

 主人公にズームイン

このカットでは、主役がはっきり写りわかるように楽しげに散歩している姿へズームイン!することで主役を強調しています。ズームは基礎編でも説明していますが、被写体を強調させる時、動画を見る人に注目させる時などに使います。また位置関係なども出すときにも使われます

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パンニングには使用上決まりがあります。

(1)広さを表す。

展望台にたって広い風景を観光地でご覧になることが多いと思います。この時、どうしますか。カメラをゆっくりと振って見せるとパノラマの風景が撮れます。

(2)高さを見せる

高層ビルや高い山など、広さ同様にカメラを振らないと撮れない高いものを撮るときに使います。

(3)位置関係を表す。

上の方に有るモノ(山やビル、看板など)からカメラを振り下ろすと下に人物がいる。

また、海に浮かぶ船からカメラを横に水平に振ると岸に人物がいる。など人と人、または人やモノとの位置関係や居場所を説明的に見せるときに使います。

(4)細かい部分を説明するように見せる時。

縦や横に長いモノ。例えば、説明用の看板を読ませたい時や日光東照宮のような歴史的建物の細かな装飾などを丁寧に見せたい時など、良く観察するように見せたい時にも使います。

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​アングル

記録映像などでの状況を説明するためのアングルがあります。例えば記録作品で病室を撮るとしましょう。ベットのある部屋のレイアウト全体を見せるためには、部屋の上からがわかりやすいのでハイアングルで撮る。病人を診察する医師の表情を撮るためには、ベットの位置くらいの下からのローアングルで医師の顔を撮る。など、説明のために誰が何を、どこで(どのようば場所)が分かるようにサイズだけでなくアングルも変えて説明がつくように撮ることが、アングルの使い方の基本です。

例えば、子供の明るく遊ぶ姿を大人の目の位置で背の低い子供を見下げるようなハイアングルで撮るのと、ローアングルで青空バックに撮ったらどう違うでしょうか。ローアングルのほうが元気な印象をあたえます。

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ローアングル

低めの位置からの撮影ですと、顔を下から見上げる感じになります。顔の表情は明るく前向きに元気はつらつと言った印象を与えてくれます。花壇の花の高さのすぐ上でカメラを構えています。人物は花より高めですから一見アイレベルに見えますがこれもローアングルです。花壇と同時に空も入って開放感を感じます。

また夏の日差しの下では若者の開放感や躍動感も感じられます。つまり日常生活から解放された広がりやロマンを感じさせてくれるので、CMなどには、このローアングルが多く使われます。

ハイアングル

一方、同じ場所で同じ歩きを少し高めの位置から撮っただけですが、その差は歴然と出ます。同じ小道も長く見えますし、近づいてくる人物の表情は同じく笑顔を見せてくれていますが、なぜか現実的と言うか、必要以上に生活感を感じます。TVドラマなどでは暗い方向に展開するストーリー、例えばサスペンスなどの途中などに多く使われます。

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フォロー撮影

動く車や飛行機、歩いている人物を横から撮る時に、カメラで追うように撮ることを言います。注意することは追うとき画面の中で被写体が左右に揺れないように、つまり出来るだけセンターに収まるようにしましょう。一番だめなのが画面から出たり入ったりは避けましょう。

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テキストです。ここをクリックして「テキストを編集」を選択して編集してください。

 

移動撮影

移動する被写体、特に移動している人物をカメラで一緒に移動しながら撮影する事です。

TV番組ではよく見ますが、フォロー撮影より難しいです。漠然と人物をおていては何を見せたいのか見る側がわからなくなります。周囲との関係を見ながら撮るようにしましょう。

浅草仲見世通りを歩く人物を後ろから追うように撮り、途中で店を除くところで人物横に移動し買い物をしてる様子を写しています。

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移動撮影と撮影時のサイズ・アングルに変化を付けたカットの
積み重ねで、三社祭の雰囲気が伝わってきます。

サンプル動画は、移動撮影を含め、サイズやアングルに変化をつけて三茶祭りを撮っています。

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編集でのマジック(時間経過・距離感)

動画はマジックのようなことが出来ます。冒頭からカットの積み重ねで表現出来ることはお話してきました。

そのカットとカットの間が時間経過を省略できます。

下の例で言えば、正面のSL,次にローアングルで横を走るSL.この間にコスモスを挟むことで、前のSLの撮った場所とから次の場所までの時間経過や距離を感じさせなくなります。

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​動画のストーリー作りの参考例:旅先や人物の動きを表現するには

「どこで・誰が・いつ・何をしてる」​を撮ることが基本です。

そこで今回は、英語の授業に出てくる5W1Hではないですが「どこで、誰が、いつ、何を している」を必ず頭に入れての撮影する術からお教えしましょう。順番はこの通りでなくても良いのですが、基本中の基本です。

映画やTV番組をよく見てると、場面(場所)の事をシーンと呼びますが、主役がいる場所や動きをサイズを変えてわかりやすく撮っているのが分かります。 皆さんがカメラを持って撮るときには、各シーンごとに、必ず「どこで、誰が、い つ、何をしている」が判る動画を何カットか分けて撮る様にして下さい。

では、具体的に「どこで、誰が、いつ、何を している」をどう撮るかを考えてください。

 

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理解できましたか? ではこれらカットを編集で並べ替えてストーリーが出来上がります。

​しかし、順番で大きくイメージが変わることを、下記2例で確認してください。

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